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セルオートマトン： 空間，時間，系の状態のすべてが離散的な動力学系であって，次の性質を持つ．

空間は d 次元(d=1,2,3,...)の規則格子またはセルの規則的配列によって表される．
格子の各サイト(またはセル)はすべて同等で有限個の状態をもつ．
各セルの状態は，それ自身およびその近傍のセルの現在の状態に依存して次の時間ステップの状態へ遷移する．
（状態遷移のルールは，取り扱う対象にふさわしいものを設定する．）
空間内のすべてのセルの状態を同時に遷移させることにより，系全体の状態が次の時間ステップの状態へ移行する．

[ 注意 ]
( 1 )　状態を情報，状態遷移を情報処理とみて，計算機科学の立場からの定義もできる．全体として論理演算を遂行する論理機械．
( 2 )　定義の拡張も可能．例： 確率論的セルオートマトン（状態遷移が確率的に起こる．）

セルオートマトンを用いて，
与えられた初期状態から出発し，各時間ステップ毎に同じ状態遷移のルールを適用して，系全体の空間的構造の時間的発展を調べることが出来る．

[ 1 ]	Richard J．Gaylord and Kazume Nishidate， ”Modeling Nature：Cellular Automata Simulations with Mathematica” (Springer-Verlag， 1996) R．J．ゲイロード・西館数芽著　”Mathematica 自然現象の計算モデル化　　セルラーオートマタ・シミュレーション” （トッパン，1997）
[ 2 ]	Richard J．Gaylord and Paul R．Wellin，”Computer Simulations with Mathematica， Explorations in Complex Physical and Biological Systems” (Springer-Verlag，1995) R．J．ゲイロード / P．R．ウェリン著　荒井隆訳　”Mathematica 複雑系のシミュレーション　物理学と生物学の探求”（シュプリンガー・フェアラーク東京，1998）
[ 3 ]	B．Chopard and M．Droz， ”Cellular Automata Modeling of Physical Systems” (Cambridge University Press，1998)
[ 4 ]	Andrew Ilachinski，”Cellular Automata -- A Discrete Universe” (World Scientific，2001)
[ 5 ]	市川惇信著 ”複雑系の科学　ーセル・オートマタ体験CD-ROM付ー” (オーム社，2002)