[D.1] 初速度の鉛直方向の成分が等しい２つの斜方投射：空気抵抗が無視できる場合
● はじめに，地表から鉛直真上に投射したときの運動と 斜方投射したときの運動を比較してみる．空気抵抗は無視できるとする．斜方投射の初速度の鉛直上向きの成分が，鉛直真上投射の初速度と 等しくなるようして，それらの運動のシミュレーションを動画で表している．
♣ 画像上にマウスポインタを置くと，動画が始まる．はずすと初期画面にもどる． t = ... の数字は運動し始めてからの経過時間（単位は秒）を示す．
鉛直真上への投射　初速度 v0 = (0，26) [m/s] と
斜方投射　初速度 v0 = (15，26) [m/s] の比較
水平方向 x [m]，鉛直方向 y [m]，時間 t [s]		 １秒経過ごとの画面を動画で表示
● 左の動画と右の１秒経過ごとの画面から読み取れるように，鉛直真上 投射と斜方投射の両方の運動において，鉛直方向へは同じように上昇し，同じ高さの最高点に達し，同じように 落下している．これらはいずれも鉛直下向きに働く重力による運動であり，時刻 t [s] での落下距離 は (1/2)gt2 [m] で与えられる． ここでは，鉛直上向きの初速度を両者で等しくなるようにとっているが，異なった初速度を与えると， 最高点の高さや地面への落下時刻は違ってくる．しかし，鉛直下向きに働く重力による落下距離 は常に (1/2)gt2 [m] で与えられる． 斜方投射では，水平方向には初速度で与えられた 15m/s の等速運動をしており，水平方向には力が働いてい ないことがわかる．
● そこで次に，質量 m = 0.1 kg の小石と質量 m = 0.2 kg の小石を同じ位置から同時に斜方に投射してみよう．
質量 0.1kg の小石は初速 30m/s，仰角 60度で投射する．
初速度は v0 = (30cos60°，30sin60°) = (15，15·31/2) = (15，25.98) [m] である．
質量 0.2kg の小石は初速 15·61/2m/s, 仰角 45度で投射する．
初速度は　 v0 = (15·61/2cos45°，15·61/2sin45°) = (15·31/2，15·31/2) = (25.98，25.98) [m] である．
● すなわち，ここでも，初速度の鉛直方向の成分が等しくなるように取っている．
これら２つの運動のシミュレーションを動画で表す． 空気抵抗は無視．
♣ 画像上にマウスポインタを置くと，動画が始まる．はずすと初期画面にもどる． t = ... の数字は運動し始めてからの経過時間（単位は秒）を示す．
初速度の鉛直方向の成分が等しい２つの斜方投射
初速度は v0 = (15，25.98) [m/s] と v0 = (25.98，25.98) [m/s]
水平方向 x [m]，鉛直方向 y [m]，時間 t [s]
● 上の動画から読み取れるように，２つの小石は同時に最高点に達し，同時に地面に到達する． これは，初速度の鉛直方向の成分が等しいからである．水平方向には等速運動をするので， 初速度の水平方向の成分が大きい 0.2kg 小石の方が水平距離で遠くまでとどく．区別のために，質量の異なる小石としたが， すでに述べたように，空気抵抗が無視できる場合の運動は質量にはよらない．
[D.1] の終